「南房総ARTニューウェーブ」出品作家 今井俊とは?

今井 俊 Toshi Imai
版画家

モノクロの世界にコヨーテやガイコツ、仮面の男、天使など異界の世界にでも迷い込んでしまったのかと錯覚させる異質の空間が広がる。木版画で表現された世界は白と黒、明と暗がはっきりした世界だが、今井の作品にはどこか温かさが感じられる。

版画家としてのスタート

今井は群馬県の生まれ。グラフィックデザインの仕事を辞め、妻と移民船でメキシコへ向かい、古代遺跡や壁画、現地の村を訪れる。その後アメリカとメキシコを行き来するうちに油彩画の制作を始める。また木版画を独学で習得し作品が版画家の故平塚運一に認められ、以後平塚氏に師事する。たびたび訪れていたメキシコの文化に魅了され、以後一貫してメキシコを制作のテーマとしている。

出品作品について

出品作品の「ポポルヴフ マヤ神話的世界」ではマヤ神話に登場するククルカンやコヨーテ、最初の人類キチェ族などが描かれている。人類誕生の物語を今井は波打つような独特の線描で描いてゆく。

南房総を活躍の拠点とする

今井のフィールドは常に南房総にあり「安房ビエンナーレ」や「鋸南美術会展」「安房・平和のための美術展」など地域に根ざした活動も続けている。